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宮川香山 イタリア人の真葛研究家

日本より海外での評価が高いと言われる真葛焼。

以前のブログで、Clare Pollard さんという研究家とその著書について紹介させて頂きました。

http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2008-08-31


実は、アメリカやイギリス以外にも、真葛焼を愛し、研究されている先生がいらっしゃったのです。

それは、イタリアのローマ大学 東洋学部のダニエラ先生です。


先生は一年に一度、イタリアから日本にいらっしゃいます。

少し前の話になりますが、今年は先生を真葛焼の窯の跡地散策にお誘いして、真葛焼について、いろいろと情報交換をさせて頂きました。

数は少ないようですが、イタリアの骨董市でも真葛焼は見つかることがあるそうです。

最近も、イタリアのお城で行われた青空骨董市で真葛焼を見つけたとおっしゃっていました。

アメリカやイギリスのみならず、イタリアにも真葛焼は渡っていたのです!

やっぱり香山はすごいですね!


先生は、日本美術を研究されているだけあって、とても日本語が上手で、私も時々イタリア人と話をしているということを忘れてしまいそうになります。

先生は、真葛焼のデザイン的なバランス感覚をとても評価されていました。

特に、釉下彩作品における、色彩表現及び絵画表現において、「控えめな美」といいますか、「やりすぎない美」というようなものがあるとおっしゃっていました。

実に巧みに、「西洋と日本の美を融合」させていると。

真葛は、西洋の影響を受けてはいるが、日本的な余白の美や控えめな美を残して、見事に調和させているとおっしゃっていました。

まさにそのとおりだと思います。

IMG_2008.jpg
東海道広重美術館 眞葛香山展より

Makuzu I Iris Vase (9).jpg
初代宮川香山作 「宮川香山 眞葛ミュージアム」寄託作品

makuzu fuji.jpg
横浜美術館 宮川香山展チラシより

ところで、ダニエラ先生との出会いは、実におもしろいものでした。

きっかけは、オークションだったのです。

まだ先生と知り合いではなかったとき、オークションで共に真葛焼を競り合ったのです。

僕は負けて(笑)、その作品は先生のものとなりました。

ちょっとした興味から、落札者である先生に、「骨董屋さんをやられているのですか?」と質問をしたのです。

そうしたら、ローマ大学で東洋美術を教えられているというではないですか。。。

しかも真葛焼のファンだと言うのです。

そんなおもしろいきっかけだったのです。


椎野社長や、木々様、そしてダニエラ先生など、僕は真葛焼を通じて、普段の仕事では決して知り合いになれないような方々とご縁ができていることを、とてもうれしく思います。

今日もブログを見て頂き、ありがとうございました。

真葛 博士 (マクズ ヒロシ)

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