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眞葛香山 眞葛窯の閉鎖と5.29横浜大空襲 

今日はいつもよりも早く起きて、久保山霊園に行ってきました。

朝早かったこともあり、広大な墓地に誰も人はいませんでした。



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今日は多くのお墓に花が供えられることでしょう。

今日、5月29日は横浜大空襲のあった日です。

三代宮川香山やその母、そして子供たちも空襲で命を落としました。


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お墓の上空には青空が広がっていましたが、69年前の今日、空は真っ黒く覆われたのです。


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三代宮川香山を祖父に持つ宮川眞名誉館長は、川崎の高校に行っていたため命拾いをしたお父様の宮川博明さんから、次のような話を聞いていたそうです。

・横浜大空襲の後、三代香山であった父や兄弟の骨を拾い集めた。当時骨壺がなかったので、やきものをやくときに使用する”さや”に骨を納めて納骨した。

・きちんとした骨壺に入れてあげられなかったことがずっと気がかりだったので、自分で骨壺をやいて、数年前にやっと骨壺にいれてあげられることができた。

宮川博明さんが作った骨壺に入ることができ、三代香山や兄弟たちも嬉しかったことと思います。





僕は、眞葛焼の研究・収集と並行して、眞葛窯の被害状況などを調査するため、横浜大空襲に関する資料なども収集しています。

昨年の夏、横浜大空襲に参加したB-29の搭乗員の装備品一式を、空爆の空撮写真と共に入手することができました。


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しかし、空撮写真と共にこれの装備品を手にした際、冷静に研究資料として見ることができず、”恐ろしさ”という感情が湧き上がってきました。

また個人の手元に置いておいては、資料としても活かしきれないのではとも思い、横浜市の横浜市史資料室に寄贈させて頂きました。



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2014年5月29日付 神奈川新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140528-00083320-kana-l14



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2014年5月29日付 神奈川新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140529-00083400-kana-l14




政治の世界では、憲法について議論が行われていますが、今一度、過去に現実に起きた戦争に目を向け、冷静に議論をする必要があるのではないかと感じています。


今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士




P.S. 数年前、宮川眞名誉館長は、歴代香山が眠るお墓の中(地下)から京都から横浜に移したと思われる墓標を見つけ、「地下ではかわいそう」と思い、表に出してあげたそうです。それがこの墓標です。

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墓標の横には”茶碗屋長兵衛”の文字が見られます。初代香山の父、長造だと思われます。








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semitaro

眞葛窯が横浜大空襲による爆撃を受けた当時の状況を知ろうと、B29搭乗員の遺品をオークションで落札する行動力に敬服します。
歳月がたったとはいえ、戦争という極めて異常な中での兵士の装備品や写真は、当然単なる資料として物扱いできないという気持ちはよくわかります。今回、横浜市史資料室への寄贈の英断はすばらしいと思います。

眞葛博士さんも私も戦後の昭和に生まれ横浜で育った世代です。戦争の残酷さ、悲惨さを身を以て体験された方々が高齢化、あるいはお亡くなりになる中、今回の大空襲のような一般市民の悲惨な状況は、どんどん風化をしているのが現実のように思います。
それにしても、眞葛窯本体のほか伝統の技さえも、この爆撃によってすべて無になってしまうわけで、それにあらゆるものを消し去ってしまう戦争は、営々と培ってきた文化や人間の営みを破壊する、恐ろしいものだということを、声を大にして次の世代につなげていかなければという思いです。
by semitaro (2014-05-30 21:03) 

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