真葛香山のライバル 佐々木二六
昨日ご紹介した作品は,三代 佐々木二六の作品です。
初代 佐々木二六の創出した二六焼は、今もなお四代目 佐々木二六さんによって引き継がれています。
二六焼の特徴は、初代香山同様「写実的な細工」にあると思います。
初代 佐々木二六は、安政4年(1857)年愛媛県に生まれました。
佐々木家は、代々瓦の製造を行っていましたが、熊本の「生人形」に出会い、人形制作に興味をもつようになります。
後に、やきものを志し、研究のため各地の窯を訪ね歩き、二六焼を創出しました。
初代 佐々木二六が興味を持ち、やきもの製作のきっかけにもなった生人形とはどのようなものだったのでしょうか。
生人形とは文字通り、生きているかのようにリアルな人形で、数年前に企画展なども行われていました。
そのチラシと生人形についてのサイトを紹介いたします。
http://www.mus-his.city.osaka.jp/news/2004/ikiningyo/tuika/html/ikiningyo_it-01.html
http://www.mus-his.city.osaka.jp/news/2004/ikiningyo/tuika/html/ikiningyo_it-02.html
http://www.mus-his.city.osaka.jp/news/2004/ikiningyo/tuika/html/ikiningyo_it-03.html
http://www.city.kumamoto.kumamoto.jp/kyouikuiinnkai/bunka/65_ikini.htm
http://blogs.yahoo.co.jp/morioka_hisamoto/40685758.html
http://www.camk.or.jp/event/exhibition/ikiningyou2/index.html
確かに驚くほどリアルで、幕末から明治にかけての職人たちの技巧とその仕事の精巧さに驚かされます。
生人形のインパクトがあまりに強いため、二六焼に話を戻しづらいですが(笑)、ともあれ初代 二六は生人形に感銘を受け、やきもの製作を志すようになったのです。
二六焼というと、たまに骨董屋さんで、とてもリアルな蟹の細工のついた湯飲みなどを見かけます。
三代佐々木二六作 蟹細工付湯のみ
二六焼の蟹の細工を見たとき、香山の細工に通ずるものを感じました。
三代二六は、他にどんな細工の作品を作っていたのだろうか?
三代でこれほどリアルなんだから、初代 二六はいったいどんな作品を作っていたのだろうか?
二六焼は、現在でも続いており、今は四代目が製作をしていることはネットで知っていました。
これは、もう四代目にお話をうかがうのが一番かもしれない!!
そう思った私は、愛媛の二六焼の窯元に電話をかけていました(笑)
お忙しい中、奥様と四代目佐々木二六さんが、丁寧に応対してくださいました。(感謝感謝です)
そして、初代、二代、三代と、歴代の二六焼の作品が、後の代の参考になるよう佐々木家に残されていることをうかがいました。
「私、真葛焼について研究している者ですが、同時代に写実的な細工モノを製作されていた初代二六さんの作品をぜひ拝見したいのです。
また、現在四代目さんがどのような作品を製作されているのかも見せて頂きたいのです。
ぜひ愛媛にうかがわせていただけないでしょうか。」
お忙しい中、なんとかお時間を作って頂き、愛媛にうかがわせて頂くことになりました。
明日のブログは、愛媛 二六焼紀行 です。(笑)
p.s. 事前にきちんと勉強していかないと、と思い二六焼について調査をしていると、さらに思いがけない発見をしました。
なんと初代佐々木二六は、明治37年セントルイス万博、明治43年日英博覧会に出品し、銀賞と銅賞を受賞しているではないですか!!
真葛香山もセントルイス万博、日英博覧会に出品し、それぞれ最高賞と金賞を受賞しています。
これは、まさにライバルです!!
初代 二六の細工を見るのが楽しみになってきました。
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