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初代宮川香山が語る「備前」のこと

皆さん、こんばんは。


前回のブログでは、備前の虫明焼に関する企画展の情報を書かせて頂きました。

今日は、初代香山が「備前」について語っている一節をご紹介したいと思います。


DSC02647.jpg


「まず日本で陶磁器の国と言えば、備前でござりましょう。

あすこの土は、調合する辛苦がない、

何処の陶磁器でも、それ信楽土を天草石と調合するの、やれ三州石と何処の土を調合するのと、調合をしなければ、上手く焼けるものではないが、

備前ばかりは、その土が天然に陶磁器に適しているので、善悪とも調合の心配も辛苦もない。」


そして、セーブルだけでなく、日本においてもガラス焼の石「ガラス石」を使用して陶磁器を製作するようになっていることを嘆き、


「がらす石で焼けば、いかにも光沢はある、透明です、

しかし陶磁としての味はなく、その弱いこと夥しい、

こうなっては、既に陶磁としての固有の所を失いましたもので、がらす焼と言わなければなりませぬ。

備前を除くの外、我が国の陶磁界は、大概ガラス焼化したことです、 

(中略) 一刻も早く改善の策をこうじなければならぬ事でござります。」

「当世名家蓄音機」宮川香山・陶器談 p205~より (一部現代仮名使いに変換)


このように、香山は、備前の土、そして備前のやきものを高く評価していたのです。

この「当世名家蓄音機」は、国立国会図書館の「近代デジタルライブラリー」でその全文を読むことができます。

http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/778431?tocOpened=1

有難いことです。



今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士



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