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真葛香山 宮川香山の時代、その頃神戸では、、、。

皆さん、おはようございます~。


海外で眞葛焼の調査、探索をしていると、横浜以外の産地で製作された興味深いやきものにも出合うことがあります。


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朱泥龍巻大花瓶 龍工組製 (明治19年~明治29年) 



この70センチ程の花瓶は、数年前アメリカで発見したものです。

写真をよく見ると、上部の龍などが金色に光っているのがおわかり頂けると思います。

この朱泥龍巻は、明治時代に常滑で製作されたやきものなのですが、神戸で輸出前に、金箔が貼られ、また漆の装飾を施され出荷されていたそうです。


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金箔が貼られているのが確認できますね。


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漆の装飾も施されています。


常滑市 民族資料館のホームページに詳しい解説が掲載されていますので、引用させて頂きます。


「明治維新によって近代国家に向かった日本は欧米の物資を調達するために外貨を蓄える必要に迫られました。そこで輸出産業の育成がはかられ、生糸や陶磁器が明治時代には欧米に向けて輸出されていきました。

その流れは常滑にも及び、明治の29年には常滑貿易株式会社という組織が誕生します。その前身となるのは、常滑の陶工が集まって結成した龍工組という組織です。この龍工組・常滑貿易(株)が盛んに作り北米大陸に輸出したのは朱泥龍巻と呼ばれるものでした。」http://www.city.tokoname.aichi.jp/kbn/Files/1/75360080/attach/boueki-chirasi.pdf より引用


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この花瓶には「龍工組」の印が見てとれます。


「江戸時代の末期に急須の素材として生み出された朱泥土を用いて大きな壺や円筒、花台を作り、その表面に石膏型から起こした龍を貼り付けてレリーフ状の装飾を施したものが龍巻と呼ばれるもので、明治20年ころから本格的に輸出されるようになりますが、この事業には名工と呼ばれる人々が参画しており、そこからロクロの技術も飛躍的に進展していきました。

そのロクロによる大物造りの技術から生み出されたのが朱泥火鉢です。江戸時代にはなかった朱泥の大火鉢は、その後の常滑の重要な産品に成長していきます。」
http://www.city.tokoname.aichi.jp/kbn/Files/1/75360010/attach/20dai6kaikikakutenkaisetusi-to.pdf より引用


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今日は、明治時代、横浜港から眞葛焼が輸出されている頃、時同じくして、神戸港からは常滑焼に、金箔、漆を施した朱泥龍巻が輸出されていた、というお話でした。



今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士








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koma

初めまして、komaと申します。
私、毎日真葛ミュージアムの横を通って通勤しているんです。でも、会社が土、日がお休みなので、なかなか休みの日まで会社のそばまで行く気がしません。(すみません)そんな訳で、今までそちらにお邪魔したのは、一回だけです。
いつもシャッターが閉まったミュージアムを横目で見てますが、今度ぜひ、開いている時に足を運びますね。
前置きが長くなりました。
実は我が家にも朱泥の龍巻の花瓶があります。母が60年前、嫁入り道具として、持ってきたものです。
母でさえ、花瓶の由来は知らず、浄土宗の熱心な信者だった祖父からもらったものなので、たぶん、お寺の花いけ?ぐらいしか考えていませんでした。
小学生だった私は雲の中から見隠れする龍の姿や、迫力ある顔がお気に入りで、鉛筆でなぞったり、落書きしたり・・・・数十年経ったいまでも鉛筆の跡はくっきりと残っています。
棚から落としてふちが欠け、金色も剥げてしまいました。
父母も亡くなり、この花瓶がどこから来たのかもう知ることも出来ないと、あきらめていました。
先日、偶然このブログで龍巻と言う名前を知りました。
母に教えてあげたい!真夜中、ひとり興奮してしまいました。
ありがとうございました。
久しぶりに花瓶を取り出しはるか明治時代の職人さんに思いを馳せました。
長々と書いてしまい申し訳ありませんでした。
でも長年の疑問が解けほんとうにうれしかったです。
本当にありがとうございました。

これからもブログ楽しみにしております。

by koma (2013-08-28 20:23) 

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