SSブログ

宮川香山 高浮き彫りと陶土

初代香山の高浮き彫りには、ユーモラスなものから、迫力漂うものまで、さまざまな作風の作品が存在します。

今日は、特に迫力を感じる高浮き彫りの名品をご紹介したいと思います。

Img2457-1.jpg

初代宮川香山作 鷹花瓶一対( 「世界に愛されたやきもの 初代宮川香山作品集」より )
「宮川香山 眞葛ミュージアム」寄託作品



やきものとは思えない、実に迫力のある作品です。

焼成の難しさもさることながら、陶土の選定にも並々ならぬ苦労があったのだと思います。(参考ブログ http://kozan.blog.so-net.ne.jp/archive/20080712 )

高浮き彫りの作品には、飯能の土と信楽の土を混ぜたものが多く使用されたことが資料から明らかになっています。(参考ブログ http://kozan.blog.so-net.ne.jp/archive/20080805 )

陶土といえば、最近の調査でとても興味深い資料を発見することができました。(貴重な資料を発見、提供下さったMさんに感謝致します。)

その資料とは、眞葛窯で働いていた職人の方の話を記録した資料なのですが、なんと眞葛窯では、ヨーロッパから輸入した土も使用していたと記述されているのです。

当該資料では、その地域まで明らかにされており、かなり信憑性が高いと思われます。

とても興味深いことで、確証を得るべく追加調査をしていきたいと考えています。


今日もブログを見て下さり、有難うございました。


眞葛 博士











nice!(13)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 13

コメント 5

ヒロ・トウキ

久々にブログ周りをしており たどり着きました。 凄いブログですね。
勉強させて頂きます。
焼き物を生業にしていますと 技術の向上と感覚 感性と言いましょうか
よい物を作りたいと頑張るわけですが まず すばらしいものを見てまねてみます。
どんな土で作るのか 釉薬の調合は 焼きは 絵付はと もてる技量で取り組むのです。
しかし 造形力を磨いても最後は 感覚があるものです。
独自の世界を切り開くときは 生みの苦しみですが
窯上がりの思いがけない変化には感動を感じます。
家業を継ぎ 食べる仕事は 写しが多く 自らの作品作りは楽しく苦しみも多いものですが
やっているから分かる世界が多くあります。
中村錦平さんの話もよく分かります。
父 梅山は香山ほど写しきれませんでしたが そのお陰で 独自の世界を切り開かれ
数寄者ならではの 知識の中から味わいある作品を作られたものです。
窯製品でもあったわけですが 梅山も工房でした。
時代の背景と友に作風もあるものと感ずる次第です
香山もしかるべく。
しかし 鳳凰は ちと感動物ですね
あと 造形物の絵付けの仕方というか どの時点で接着したのか
気になる作り方がいくつかあります
また じっくり拝見いたします。
ではでは
by ヒロ・トウキ (2009-09-20 00:58) 

mokomio

始めまして・・。
昨日sanaeさん(私の西洋陶芸の先生)と一緒に宮川香山記念館にいった者です。
お写真では拝見していましたが、展示されていた物はそれぞれすばらしく感動してしまいました。
博士さんのブログもとっても勉強になります。
半券にホームページがあり、そこから博士さんのBLOGにたどり着きました。
BLOG楽しみながら読ませていただいています。
10月にはまた皆で伺います
by mokomio (2009-09-20 10:43) 

makuzu

ヒロ・トウキ さま

はじめまして。コメント有難うございました。
中味の濃いブログになるよう、今後も頑張っていきたいと思います!
ぜひ、これをご縁に、陶芸に関することをいろいろと教えて下さったらと思っております。どうぞよろしくお願い致します。



mokomio さま

ブログを見て下さり、有難うございました。
宮川香山の作品は、やはり実物を実際に見ますと、細工の細かさや、色の美しさに感動しますよね。
写真では表現できない魅力があります。
これからも、宮川香山研究を進めて参りますので、参考にして頂けたらうれしいです。
宜しくお願い致します。


眞葛博士
by makuzu (2009-09-20 23:57) 

pegasas

私は陶器は素人で何もわかりませんが、色々見に行くのは
好きで良く美術館に行きますが、ちょっと見た事のない陶器に
驚いています。迫力あり過ぎですね!!
by pegasas (2009-09-27 15:04) 

dororo

はじめまして。本当に焼き物とは思えませんね。
陶芸の工程を知っているだけに、ここまで出来るのはすごいの一言です。
眞葛焼というのも知りませんでした。
ので今後もこちらで勉強させていただきます。
by dororo (2009-10-06 22:28) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0