宮川香山 新種の「蟹」発見!
1881年(明治14年)に製作された初代香山作「褐釉蟹貼付台付鉢」。
土で造られた陶器の作品で、上絵により蟹を彩色しています。
この作品を製作する前、初代香山は、磁器で「蟹」の細工付きの花瓶を製作していました。
上の写真の作品の元になった作品かもしれません。
本邦初公開、これが新発見の蟹です。
初代宮川香山作 「宮川香山 眞葛ミュージアム」寄託作品
渡蟹水盤ならぬ、磁器で製作された一対の花瓶です。
この花瓶は、ボストン近郊の小さなアンティークショップで発見されたそうです。
明治時代初期に輸出され、ボストン近郊の邸宅でずっと大切にされてきたのでしょう。
話はちょっと変わってしまいますが、昨日、磁器作品における香山の銘について書かせて頂きました。
横浜に窯を築いてから、最も初期の銘は、下の写真の銘でした。
「銘は、染付(青い釉下彩)で書かれており、その周りには、太い二重の円が描かれている」と書かれています。
上の写真をアップにしてみましょう。
それでは、いよいよ新発見の「磁製蟹付花瓶」の銘と比べてみることにしましょう。
「磁製蟹付花瓶」の銘
「磁製蟹付花瓶」の銘
しっかりと二重の円も描かれています。
最初期の銘に間違いないことがわかります。
この銘により、この花瓶は明治時代前半期に製作されたものであることが明らかになります。
銘と蟹の細工の作風等から、この「磁製蟹付花瓶」は、重要文化財の蟹が製作された1881年(明治14年)よりも前に製作された蟹であると推定できます。
それでは、じっくりと作品を見てみましょう。
初代宮川香山作 「宮川香山 眞葛ミュージアム」寄託作品
海外で絶賛された眞葛焼。
約130年の時を経て、遠いボストンでこのような作品が発見されるのです。
眞葛焼、なんとも興味深いやきものです!
今日もブログを見て頂き、ありがとうございました。
眞葛 博士
つづきはコチラ → http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2009-04-09 (新発見「遺作の蟹細工花瓶」)
p.s. 明日でいよいよこのブログは一区切りです。ここで、明日のブログの前置きを少し、、、、。
初期の眞葛焼の特徴は、リアルな細工に象徴される超絶技巧。
東京国立博物館蔵
その後、眞葛焼は、「技巧」から「芸術」へとその進化を遂げていきます。
すなわち、色鮮やかな釉下彩磁器への変貌です。
初代宮川香山作 「宮川香山 眞葛ミュージアム」寄託作品
「近代に至り新たに開発された技法である透明釉の下に高火度の色絵で賦彩する釉下彩。」
「明治時代にいち早くわが国で釉下彩磁器を完成させた陶芸家の一人である宮川香山」
(平成16年文化庁答申書より)
香山が生涯をかけて完成させたのは、色を変幻自在に操る釉下彩技法だったのです。
香山は晩年、遺作として、「釉下彩技法を駆使したある作品」を残しました。
いったい香山は、釉下彩技法を駆使し、どんな作品を遺したのでしょうか。
明日は新発見のその作品をご紹介したいと思います。
新発見の作品が続きます。
どうぞご期待ください!
つづきはコチラ → http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2009-04-09 (新発見「遺作の蟹細工花瓶」)
makuzuさま
先日は、nice!を頂戴しまして、ありがとうございました~♪♪
深川製磁の大鉢は本当に貴重なお品ですので、お目にとまって
光栄なのですが、素人が作った初湯呑みにまでnice!をいただいて
しまい、恐縮です・・(笑)♪♪
「眞葛焼」というか、この「カニ」、すごいことになっていますね!!
こんなの初めて見ました!!本物の蟹がくっついているみたい
ですね♪♪
さっそく、陶芸の先生にたずねてみたいと思います♪♪
これからも「眞葛博士」として、ステキな眞葛焼をご紹介ください♪♪
楽しみにしております!!
by アニ (2009-04-09 00:53)