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真葛香山 と 深川製磁 (2)

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( 「Imari, Satsuma and Other Japanese Export Ceramics」 Nancy N. Schiffer 著 より引用)

昨日は、「深川忠次は、宮川香山に師事し、のちに海外への拡販を目指し、深川製磁を設立した」と書かれている文献を紹介しました。

本当に、深川製磁のルーツは宮川香山なのでしょうか?

深川製磁には、明治期のデザイン帳が残されています。

もし、香山と深川に関係があるとすれば、おのずとその作風は似てくると思うのです。

早速、深川製磁のデザインと香山の作品を比較したいと思います。

(香山の作品と図案帳を交互に掲載します)

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深川製磁デザイン帳より


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宮川香山作花瓶 (横浜美術館 宮川香山展図録より)


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深川製磁デザイン帳より


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宮川香山作花瓶 (横浜美術館 宮川香山展図録より)


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深川製磁デザイン帳より


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宮川香山作花瓶 (ニューヨーク フライングクレイン蔵)


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深川製磁作花瓶



確かに深川のデザインは、香山の影響を受けていると言ってよいほど、よく似ていると思います。

しかし、明治時代には、政府の博覧会事務局などによりデザインの図案集(温知図録)などが作成されたり、おのずと似たようなデザイン、作風というのは存在しうる環境にありました。

それにしても、ここまで香山の釉下彩に似ている他のやきものは存在しないと思うのです。

はたして、宮川香山と忠次の間に徒弟関係はあったのでしょうか。

今後もより多くの作品や資料にあたり、深川忠次と宮川香山の関わりについて研究していきたいと考えています。

調べることが増えてワクワクしてきます(笑)

今日もブログを見て頂きありがとうございました。
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コメント 4

putinori

宮川香山デザインと深川製磁デザインがまさしく重なる花瓶を所有しております。深川初期の大型の花瓶です。
by putinori (2011-08-26 02:36) 

makuzu

putinoriさん、コメントの返信が遅くなりまして、申し訳ございませんでした。そうですかあ!とても興味があります。ぜひ拝見したいですね~。どこかにアップされることなどございましたら、是非お知らせくださいませ。
真葛博士

by makuzu (2011-09-24 16:08) 

吉谷 将史

はじめまして、亀山焼をヒントにたどり着きました。
まだ、ブログの中身について一部しか拝見しておりませんし、宮川香山の作品についてもNHKの特集番組にて知っている程度の知識ですが、亀山焼が何故天草陶石を使うことが出来たか!というとそこに平戸藩窯の「三川内焼」が浮かび上がってきます。また天草陶石と網代陶石を混ぜた原料は香山が得意とした細工物にもっとも適した材料であり、よろしかったら亀山焼同様、三川内焼についてお調べになることを、お薦めいたします。あまり知られていないことですが、明治期の深川や香蘭社の製品には多くの三川内の絵師達が参加しています。三川内焼ファンの私が初めて香山の作品をNHKの番組で拝見するまで、「細工物」「染付」「白磁」の分野において平戸(三川内)焼が最高のものだと自負していましたが、「宮川香山」の存在を知ってからは「上には上がいる」と感心いたしました。ただ、江戸時代においてそれらの秀悦な作品を世に出していたのは紛れも無く「平戸焼」であり、一部の研究社の間でも”真葛香山”が参考にしたであろうとは言われています。
有田や伊万里に比べあまり知られていない三川内焼ですが、明らかにその作風は違います。ご参考までに三川内焼に詳しいサイトをご紹介致します。
http://www.mikawachi-utsuwa.net/ 三川内焼HP

http://mikawachi.yyyz.info/index.html 三川内焼とその時代

平戸悦山さんの作品(私の写真で申し訳ないです)
http://picasaweb.google.com/100279922763076040329/cgIKyD?gsessionid=qZLIpz-knxA471WNBj5d4A#5526232915505684930
by 吉谷 将史 (2011-10-28 18:27) 

眞葛 博士 (まくず ひろし)

吉谷さま

情報ありがとうございます!三川内焼についても、是非勉強していきたいと思います。コメントのアップが遅れてしまい、申し訳ございませんでした。

眞葛博士
by 眞葛 博士 (まくず ひろし) (2011-11-12 01:25) 

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