宮川香山 一番の大作は?
今日は、宮川香山が製作した作品の中で、一番の大作についての話です。

高 さ 約182センチ
最大径 約106センチ
重 さ 約124キロ

最大径 約182センチ
重 さ 約146キロ
本当にとんでもない大きさです!!!
本黒地釉が施され、その上に、秋の七草や菖蒲、野菊などが、浮き彫りによってあしらわれています。
この三つ揃いの作品は、1900年(明治33年)パリ万博に出品され、香山は見事「磁器花瓶其他」で、大賞を受賞しました。
この作品は、敷地に新規に本窯一基と錦窯二基を追加して新築し、3年の歳月を費やされて製作されました。(大日本窯業教会雑誌 第百十号 記事より)
香山は後日談として、次のように語っています。

「私が製作したものの中では、先年巴里の博覧会へ出品した六尺の花瓶一対が一番大作であった、上の方は梯子を掛けてやり下の方は寝て居て模様を描いた、刷毛で水をひくにも大きいから一方をやれば一方が乾く、しかし私一人で作り上げた、博覧会では大賞をくれたし、一万ドルでぜひかいたしと申し込まれたが、故林忠正さんが、こういう大きいものは是非共日本におきたいといって、どうしても聞かないで、遂に持って帰られた、今サムライ商会においてある」(美術新報 第二百四号)
高さ180センチ以上ある花瓶を一人で全て仕上げた香山。
その精神力とエネルギッシュさに驚かされます。
この作品は、横浜のサムライ商会に引き取られたようです。
サムライ商会は、主に外国人目当てに日本の工芸品や美術品を販売していたお店です。
明日は、このサムライ商会というお店は、どのようなお店だったのか、について書きたいと思います。

今日もブログを見てくださって、ありがとうございました!
2008-07-07 00:53
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